雪鳥の記憶

趣味とかの記録

舞台感想「霧のむこうのふしぎな町」

2017/07/09 RITROVO 3 ピアノ朗読劇 「霧のむこうのふしぎな町」 ★★☆☆☆

★は個人的好み度(一般的な出来の良し悪しを評定するつもりはないです)

 

一言で、毒が無さすぎる綺麗な物語。
あまり響かなかった。
とはいえ、

この物語を世界中のこどもたちに
自分がこどもだった頃を忘れがちな、かつてこどもだった大人たちに
心からの友情をこめて贈ります

というものなので、こどもの心を失った自分の問題ではある。
ただ、絵本を読み聞かすような風合いが多く、描いてほしかったファンタジー感が物足りなかったのは事実な気がする。
意外と子供って小さくてもリアルを感じ取るものだと思うけどね。
それでも、なんだか少し懐かしい気分にはなった。

話が少し逸れることを許して貰えば、自分は子供の頃「エルマーのぼうけん」シリーズが大好きだった。
考えてみればあれも毒が無いストーリーだが、読む度にファンタジー世界の冒険を楽しんだものだ。
リュックサックに色んな道具を詰め込んでそれらを使うワクワク感。
それで一度、「エルマーのぼうけん」の劇を近所でやるというので親に連れて行って貰ったことがある。
結局、記憶はあまりないのだが、ふーん…で終わったような感覚がある。
言い換えれば、記憶に残らないほどのものだったとも言える。
ただ、そのはずなのだが、今回の劇を観てなんとなく当時の「目の前が広がっていくような子供の頃の空気感」のようなものを思い出した。
劇を観に行ったという事実が無ければ、こうやって思い返すことは無かった気がするのだ。
エルマーと一緒に冒険をしたあの頃の視界を。

今回の劇でも、子供を何人も見かけた。
霧のむこうのふしぎな町」が好きで楽しみに来た子もいるのかもしれない。
願わくはこの劇を観た子供達にとって、大人になった頃に思い返して味わう今になることを。