雪鳥の記憶

趣味とかの記録

舞台感想「百年の秘密」

2018/04/28 ナイロン100℃「百年の秘密」 ★★★★☆

ティルダとコナ、二人の女性と周囲の人生を、時代を行ったり来たりしながら描き上げていく作品。
登場人物は多いがどの人達も人間味に溢れる個性を持っていて、「あなた誰だっけ?」みたいになることが一切無かった(助かる)。

イカー家の屋敷の庭に佇む大木の前で起こる様々な人間模様。
どの思い出も何かしらの黒い影を落としているのに、全うした人生はそれはそれで素敵だったんじゃないかと思わせる力を持っている。
それを成すのは、ティルダとコナの複雑に絡み合った絆。
誤解を招く言い方をすると百合。尊い

世界観や仕掛けが特殊だったり、キャラクター性が強い舞台を観る機会が多かったので、人間模様だけでここまで描ききることが出来るのかと感動。
途中休憩ありの3時間半という長い作品だが、だれることもない。
重そうに聞こえるが、明るく黒いみたいなノリと、要所要所の笑いが適度で肩の力は要らない。

人生はロマンティックでなくともいい。