雪鳥の記憶

趣味とかの記録

舞台感想「エグ女」

2018/03/04 「エグ女」 ★★★☆☆

★は個人的好み度(一般的な出来の良し悪しを評定するつもりはないです)

 

3月4日、TBSラジオ主催の「エグ女」を見てきた。
エグい女が登場するショートストーリーを、2時間で14本連ねるオムニバス形式の舞台だ。
公演は女狐チームと女豹チームに分かれており、自分は女狐チームを観劇した。

 

2時間で14本もの話をやるため、必然的に1本あたりの時間は非常に短い。
良い意味でも悪い意味でも「エグ女」をテーマにしたコント番組のように感じた。
1本1本は非常に面白く、背筋の凍るようなものから、会場が笑いに包まれるようなものまで、バリエーション豊か。
世の中に実際にいるかもしれない、多種多様な"女"の生態を覗き見したかのようなヌメヌメした感触がこの舞台の味だろう。
そういった意味では、続けざまに見せることに意味があるのかもしれない。 

一方で各話の繋がりが無いため、どうしても浅くなりがち。
ライトなコメディタッチのものはいいのだが、エグさを全面に打ち出すものは重さが足りない。
ざっくり言うと、もっと刺し殺して欲しかった。

ただ、観客に背景と余韻を想像させることで尺を節約しているのは上手いなと思った。
好きだったのは「ニコイチの女」で、ずっと強気に仕返しをしている女が最後にソファで自分も頭を抱えてフェードアウトしていくところ。
仕返ししないとやりきれない気持ちを抱えつつも、仕返しをしたところで浮かばれない気持ちを想像する余韻が良い。

 

出てくる女はたいがいエグいけど、話にあがる男もよっぽどクズだったのが笑いどころ。
エグ女に遭遇しないためには、クズ男にならないようにね……